転職に成功する人と失敗する人にはどのような違いがあるのでしょう。

今回は実際の転職体験談の中から、転職に成功する人・失敗する人それぞれの特徴を探ってみたいと思います。

転職の理由についてのアンケートでは、「労働条件が悪かった」と答えた方が最も多く25.3％、「職場の人間関係」が22.3%「収入が低かったから」が16.6%という結果になりました。

また、結婚による退職や、子育て・介護など家庭の都合で退職する方については13％と、全体の割合を考えると１割程度とそれほど多くないことが分かりました。

※参照　厚生労働省平成 30 年雇用動向調査結果の概況　表5

転職先を選んだ理由のうち「仕事内容に満足がいくから」と挙げた人が22.7%と最も多く、ついで「労働条件の良さ」が17.3%、「自分の能力を活かせるから」が14.6%という結果になりました

※参照　厚生労働省平成 27年転職者実態調査の概況　表21

転職した後でも再び転職を考えている方、わからないといった声を挙げている方も半数近くに上っていることになり、転職への成功の割合と失敗の割合はほとんど同じくらいだと言っても良さそうです。

※参照　厚生労働省平成 27年転職者実態調査の概況　表23

では、転職に成功した女性と失敗したと感じている女性はどこに違いがあるのでしょうか。

【40代Aさん・派遣を経て、正社員にステップアップ】

医療事務の仕事に就き、順調にキャリアを積んでいたAさん。 しかし、働き先の病院は人の出入りが激しく、Aさん自身も退職することを決意します。

Aさんは、OA事務の求人を見つけますが、その契約はAさんが望む正社員ではなく「派遣社員」でした。 Aさんは迷いますが、今までの転職活動から40代の転職では働き先が限られていると感じていたのでこの会社に転職を決意します。 契約後半年での正社員登用の実績があるということも転職の決め手でした。

早くに「派遣社員でもよいか」と見切りをつけたことが、結果として正社員になる幸運に恵まれたのだと感じたそうです。

【30代Dさん・待遇の良さに惹かれてしまい、あとで後悔】

短大を卒業して病院に派遣社員として配属されたDさん。 休みもあまり取れず、給与面でも不満を感じ、10年近く勤めた頃に転職しようと思い行動に移しました。

Dさんは、求人が比較的多く資格がなくても出来て給料も高い歯科助手の転職を決めたそうです。 順調に見えた転職でしたが、未経験の転職は覚えることも山ほどでした。 その上人間関係でもストレスを感じたDさんは、結局半年も経たず辞める事になりました。

Dさんは給料や待遇だけを重視しすぎて、肝心なところが見えてなかったと再確認しました。

失敗する人・成功する人について今の事例を元に、成功例と失敗例それぞれに見られる特徴をまとめてみたいと思います。

【転職成功者は、転職活動をやめる前から始める】
転職者が転職するに当たってどのような準備活動をしたかという調査では、「特に何もしていない」 が 61.6％、「転職準備活動を行った」が 31.2％となっています。

※参照　厚生労働省平成 27年転職者実態調査の概況　表18

【転職成功者は、譲れない条件を知っている】
転職理由が曖昧のままなんとなく転職活動を進めてしまうと、満足のいくような転職先を見つけることが難しくなり、気が付いたら前職と似たような職場を選んでしまったと言うことも良く聞かれます。

【転職成功者は、妥協点を知っている】
譲れない条件と同じくらい、譲るべき条件を知っておくことも大切です。出来たら条件に入れたいけれど、全ての条件を満たす転職先を見つけることはなかなか難しいものです。

※参照　厚生労働省平成 27年転職者実態調査の概況　表19

【転職成功者は、色々な手段を使って転職活動をする】
転職者が現在の勤め先に就職するためにどのような方法で転職活動を行ったかというアンケート結果では、「公共職業安定所(ハローワーク)等の公的機関」が 41.4％と最も高く、次いで「縁故（知人、友人等）」が 27.7％、「求人情報専門誌・新聞・チラシ等」が 24.2％となっています。

※参照　厚生労働省平成 27年転職者実態調査の概況　表17

転職に成功する人の多くに共通して言えるのは、ハローワークや紙媒体だけでなく、地域の求人や大型求人サイト、さらには人材紹介会社の転職エージェントなど複数の手段を使い沢山の情報を得ていることです。

それぞれ特性があるのですが、それらをうまく使うことで一つ一つのデメリットを補いながら余すことなく求人をチェックすることが出来ます。

また転職エージェントは、その会社独自のルートで仕入れた企業の情報が豊富ですので、転職者に有利な情報や非公開の求人情報についても知り得ることが出来ます。 専任のアドバイザーが無料で求人探しから採用までをサポートしてくれます。

ハローワークなどの転職への相談機関や転職エージェントなどを上手に利用しながら、良い求人を見る目を養っていけると良いですね。

転職は、自分の好きなことや特性を知る良い機会です。
前職からの経験を糧に、ベストな転職先を見つけられるようにぜひ頑張って下さいね！